今回ご紹介する本は、
『生物はなぜ死ぬのか』
です。
この本を読むと、タイトルにもある通り「生物が死ななければならない理由」が分かります。
◎こんな人にオススメ
・生物はどのように生まれた?
・生物はどのように死ぬの?
・生物はなぜ死ぬの?
これらのことを改めて考え、新たな死生観について学んでみてください。
『生物はなぜ死ぬのか』
タイトル:『生物はなぜ死ぬのか』
著書:小林武彦
出版社:講談社現代新書

『要約』~多様な進化のため~

本書のタイトルにある「生物はなぜ死ぬのか」という問いですが、
結論からお伝えすると生物が死ぬ理由は「多様性」のためです。
環境がどんどん変化していくこの地球で、生き物は多様な変化と進化を繰り返していま存在しているわけです。
キーポイントとなるのは【ターンオーバー】という言葉です。
ターンオーバーとは・・・生まれ変わり。
多様な生き物が存在して、それが次々に新しいものと入れ替わっていくターンオーバーこそが現在の地球を作り、支えているということなのです。
この世の始まりはすべて一つの物体

この世の始まり、つまり宇宙の始まりはビッグバンと言われています。
いまでこそ多種多様な生物や物質が存在しますが元をたどれば一つの小さな塊だったのではないかと言われています。
そこから宇宙が生まれて、
地球が生まれて、
生命が生まれました。
「植物」になり多種多様な進化をしたもの、
「生き物」になり多種多様な進化をしたもの。
すべて一つの小さな塊から枝分かれして植物や生物に進化・変化したのです。
生物はどのように死ぬのか?

生物の死に方は2つあると書かれています。
【アクシデント】と【寿命】です。
【アクシデント】・・・ほかの生物に食べられたり、病気をしたり、大規模な気候変動など。
食べられないように姿形を進化させてきた昆虫や、食べられることを想定して多くの卵を産む魚がアクシデントにも対応できて生き延びるための進化をしてきた生物といえます。
【寿命】・・・遺伝的にプログラムされたもので種類ごとにだいたいの年数が決まっている
老化していく生き物、子孫を残すと寿命がきて死んでいくものがほとんどです。
どんな生き物も長い年月をかけ多様化してきましたが、死に方も生物によって多様化しています。矛盾しているようですが、【生き残るために死んでいく】のです。
ちなみに人間だけが「死」を恐れていると言われています。
これは人間が感情の生き物だからです。悲しい、寂しいなどの強い感情を持つのは人間の特性です。
多様な進化を繰り返すために生物は死んでいく

生物は生まれて死ぬわけですが、それを繰り返すことによって多様な進化をしてきたのです。
逆にいうと死ななければ、生まれ変わることができないので進化が止まってしまうということですね。
そうなると環境の変化に対応できません。
対応できない生物は絶滅し、対応できた生物は人間も含めて現在生き残っているということになります。
生き物はすべて、多様に進化するために死ぬということです。
『感想』~改めて考えるといま存在しているのは奇跡~

生物はとてつもなく長い年月をかけて変化と進化を繰り返し現在に至っているということを改めて理解しました。
特に、宇宙の始まり(元は一つの塊)から考えてみるとまさに自分がいま人間として存在しているのは奇跡。
次の世代のために一定の期間で死んでいくというのは納得です。そのようにプログラムされていなければ現在地球で生き残っていないかもしれません。
すべて必然というか自然なことなんだと感じました。
なぜ死ぬのか?を理解することによって、
どう生きていくのか?ということを改めて考えさせられました。
『行動』

本書を読んでどんな行動をするか。
生物が生きる目的は、「子孫を残すため」「多様に進化していくため」ということになります。自分自身が生きている理由はあくまでもその過程なのです。
よって次の2つことをしっかりと自分が生きている間にするべきだと考えます。
①子育てにしっかりと取り組む
人間が人間としてこの世で今後も生存し続けられるように、
まずは自分の子供を育てることをする。
②自分のやりたいことをして全力で生きる
誰もが死んでいくことは決まっています。せっかく奇跡的にいま現在生きているんだから自分の人生を味わいつくしたいものです。
生物が生きている目的はすべてプロセスだと考えるといろんなことにチャレンジしないのはもったいないですね。
少し抽象的ですが以上の2つに取り組むために日々の生活をしていければいいと思います。
『まとめ』
『生物はなぜ死ぬのか』について要約と感想をまとめました。
本書は生物学について少し専門的な箇所もあり、理解するのが難しいところもあります。
しかし様々な生き物の実際の生き方・死に方なども紹介してあり初めて知ることも多くありました。
なぜ死ぬのか?を考えることによって、
どう生きるか?を考えるきっかけとなり、
死生観を改めて考えなおすこととなります。
気になった方はぜひ実際に本書を手にとって読んでみてください。
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