『マルチスポーツを科学する』要約と感想~日本の常識を考えなおす~

本の要約・感想

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今回ご紹介する本は、

『マルチスポーツを科学する』

です。

日本ではまだ馴染みのない『マルチスポーツ』という言葉ですが、実は海外の子どもたちへの教育では常識となっています。

本書を読めばマルチスポーツがなぜ大切なのかということが分かり、私たち日本人が今まで常識と思い込んでいた固定観念を見直すきっかけとなります。

◎こんな人におすすめ

・マルチスポーツってなに?

・マルチスポーツにはどんな効果があるの?

・現在子育てや教育に携わっている人

世界基準でグローバルな子どもを育てるために知っておきたい知識になります。

そしてもっと詳しく知りたいという方はぜひ実際に本書を手に取ってマルチスポーツについて学んで子育て・教育に役立てましょう!

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『マルチスポーツを科学する』

タイトル:『マルチスポーツを科学する』

著者:大山 高

出版社:青娥書房

【要約】マルチスポーツ×探求心

マルチスポーツってなに?

そもそもマルチスポーツとはなんでしょうか?

マルチスポーツとは・・・同時期に複数のスポーツに関わること

たとえば、中学や高校の部活動を日本と海外の国で比べてみます。

日本は基本的に一度所属したら3年間同じ部活動を続けますよね?

一つの競技のみを長く続けることが素晴らしいという文化になっています。

しかし海外の国々では、部活動は『シーズン制』となっていて季節が変わると所属する種目やチームを変えて部活動をする。

あえて様々なスポーツを経験させるという教育方針です。

海外ではマルチスポーツが常識となっているのです。

日本とはまったく逆の常識ですよね。

ちなみにアメリカでは1年で3シーズン、オーストラリアやニュージーランドは2シーズンに分かれているようです。

これからの時代に必要な「探求心」

いままで日本ではずっと一つの競技を続けることが良いとされてきたわけですが、なぜマルチスポーツがこれからの時代大切になってくるのでしょうか?

結論から言うと、マルチスポーツに取り組むことで『探求心』を育むことにつながるからです。

では、探求心とはなんでしょうか?

探求心とは・・・物事の本質を見極めようとする気持ちのことで、好奇心と似た意味で使われます。

この『探求』という言葉が最近の教育現場ではキーワードになっています。

つまり、探求心を育むということは『自分で物事の課題を見つけ、情報を集め、表現する』ことを鍛えるということです。

これが教育指導のスタイルとして重要視されているというのです。

いままでの学習方法はいわゆる暗記型で正解を探すというやり方でした。

しかしこれからの時代はどうでしょうか?

AIの発達により世の中の正解があることに関しては一瞬で導き出すことができます。人の働き方や生き方も多様化し、様々なことが複雑に絡みあう時代で生きていかなければなりません。

そんな時代にこそ自ら課題を見つけ、複数の正解を導き出すという探求心が必要になってくるわけです。

本書ではこのことを『ジグソーパズル型の教育』から『レゴブロック型の教育』へ時代が変わっているということが書かれています。

つまり決まった正解を見つけること(ジグソーパズル)から自由に形を作ることができて複数の正解があること(レゴブロック)へ世の中が求める人も変化しているため教育も変化しているというわけです。

マルチスポーツのメリット

いまお伝えした「探求心」が今後大切になってくるわけですが、

本書では「マルチスポーツ」×「探求心」が大きなテーマとしてキーワードとなっています。

マルチスポーツで探求心を育んでいくという考え方です。

スポーツをするということ自体、メリットはあるのですが一つのスポーツに絞らずに複数のスポーツに取り組む「マルチスポーツ」には以下のようなメリットがあります。

【マルチスポーツのメリット】

・複数の異なる動作を経験、体験できる

・決まった体の動きに限られないためケガのリスクが減る

・複数の異なる戦術や問題を経験できる

・複数のチームに所属することになるため人間関係の幅が広がる

・複数の指導者に出会う機会があるため様々な価値観や指導スタイルに触れることができる

・自分に合った得意なスポーツに出会える可能性を高める

このようなことがメリットとしてあげられます。

複数の体の動き、戦術、チームメイト、指導者、価値観に触れることで一つに絞った競技をするより思考力を広げることができます。

探求心を高める思考法

マルチスポーツを実践し探求心がある子供を育てるために、どんな思考法があるのでしょうか?

2つ抜粋してご紹介します。

①『代替案を考える思考法』

日本人は成功すること前提で物事を考える傾向が強いという分析結果が出ているが、海外では失敗すること前提で物事を考え代替案を準備しておく傾向が強いということです。

日本ではいかに一つのことに一生懸命に取り組んだかという思考、つまりプランAしか準備していないのに対し、海外では「サッカーがダメなら卓球で勝負しよう」という失敗しても次の策があるというプランBやプランCを考える思考です。

マルチスポーツを実践することでこの考え方が鍛えられます。

②『新しいアイデアを生み出す思考法』

新しいアイデアを生み出す人材を育てるには自分の頭で考えることが大切だし、これまでの日本で多かった正解主義のジグソーパズル型の教育から脱しなければならないということになります。

新しいアイデアは既存のアイデアの組み合わせでしかないと言われています。

様々な情報やデータからそれぞれ深掘りして組み合わせることで新しいアイデアが生まれます。

マルチスポーツを実践することで複数の戦術や体の動き、人間関係と触れることができるので新しいアイデアを生み出す思考法を鍛えることができるというわけです。

【感想】いままでの固定観念を見つめなおす

マルチスポーツという考え方を本書で読み、日本と海外の違いやマルチスポーツの特徴やメリットを知りました。

これまでの当たり前と思い込んでいた固定観念を見つめなおすきっかけとなりました。

自分自身の昔を振り返っても学校のテストは正解が決まっていて、いかにその正解を見つけるか。

私自身一つのスポーツだけを実際やってきたしそれを続けることが素晴らしいという価値観はたしかにありました。

そんな中、本書を読んで共感し納得することが多くありました。

たしかに一つのスポーツだけしているとどうしても同じ動きに偏り、体のバランスが崩れたりケガのリスクも高くなります。

それに基本的に同じチームメイト、同じ指導者で部活動を続けるわけですからなかなか人間関係や価値観というのも限られていて広がりがありません。

つまりいつも同じ方法、同じアイデアしか出てきません。

自分の可能性も制限されている状態です。

複数のスポーツを実践するということがいかに大切かが本書を通して理解できましたし、これまで一つの価値観に縛られている状態だったということに気がつきました。

【行動】子どもには複数のスポーツを体験させよう

本書を読んでなにか行動するとしたら、これです!

「自分の子どもには複数のスポーツを体験させる」

自分が一つのスポーツしかやってこなかったので子どもにはマルチスポーツを体験させられるようにしたいです。

これは簡単なことではなく現実的に考えると、

・習い事にいくにはお金が必要(複数だとなおさら)

・送り迎えをする時間も確保しなければいけない

以上のようなことが必要となりますね。

しかし、いかに私たち大人は子どもが思い切って取り組める環境を整えてあげるかだと思います。

お金と時間を確保するために努力します。

【まとめ】

『マルチスポーツを科学する』の要約と読んだ感想をまとめました。

これまでの常識だと思っていたことも大切ではありますが、様々な考え方や方法を取り入れて試してみるというのも大切です。子どもへの教育もそうだし根本的な考え方は大人でも重要だと感じます。

マルチスポーツについてもっと詳しく知りたいという方はぜひ本書を実際に手に取って読んでみてください。

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